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[ Wind blows from West to East ]

Ensemble Sonora Baschet Sound Sculpture

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タイトル:
[ Wind Blows from West to East ] /

アンサンブル・ソノーラ バシェ音響彫刻
価格:¥2,000 (税抜)
規格番号:UKSL - 0001
POS/JAN:4525118086747
CD発売:2020月5月20日
iTunes他デジタル配信:2020年6月24日

01  Noise from another Dimension
02  Monotone
03  Paintings that can only be seen from Afar
04  Wind blows from West to East 1st movement
05  Wind blows from West to East 2nd movement
06  Wind blows from West to East 3rd movement
07  Invisible Garden
08  聖なる声 Voz Sagrada

 

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Tr 01, 02, 03, 07 Composed by Ensemble Sonora
Tr 04, 05, 06 Composed by Jyoji Sawada
Tr 08 Composed by Ensemble Sonora, Sizzle Ohtaka

- プロデュース 沢田穣治

- コ・プロデュース 森 崇, アンサンブル・ソノーラ

- アンサンブル・ソノーラ
   沢田穣治, 渡辺亮, 岡田加津子

- おおたか静流  [ 声  (Voz sagrada) ]

- 録音 + ミックス + マスタリング 森崇
   2017/06/17, 2019/10/07 京都市立芸術大学

- 企画立案
   沢田穣治, 森崇, アンサンブル・ソノーラ

- アートディレクション & デザイン
   株式会社ハイファイカンパニー (水田十夢 & 入江澄穂)

- 写真
   大島拓也, 桑鶴麻氣子, 柴田誠

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【使用した音響彫刻】
桂フォーン、渡辺フォーン(大阪府所蔵)、
冬の花(京都市立芸術大学所蔵)

【冬の花 製作】
マルティ・ルイツ、京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻学生

【音響彫刻( 桂フォーン、渡辺フォーン ) 修復協力・助成】
大阪府日本万国博覧会記念公園事務所、 京都市立芸術大学、

京都芸術センター、 野村財団、公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団

【CD制作協力】
京都市立芸術大学芸術資源研究センター

【謝辞】
岡上敏彦、川上格知、宮崎千恵子、永田砂知子、柿沼敏江、松井紫朗、

マルティ・ルイツ、川崎義博、伊藤謙、建畠哲

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沢田 穣治 (音楽家)

 少年期の沢田が大阪万博で体験したバシェ音響彫刻の響き。そして太陽の塔。万博会場の至るところから流れる不思議な音楽、当時の少年の感性に多大な影響を与えたことは疑いもなかった。それは幼少期から手塚治虫の漫画で培われてきた死生観とリンクし、その限りない宇宙、生命、この世界を創造した大きな存在への畏敬、その無限の恐怖と命の儚さを想起させる異様な存在感の太陽の塔と共に万博で触れたバシェ音響彫刻の響き、そして名も知らずに聴いた武満徹作品。その体験こそ音楽による自分探しの旅の始まりだったように思います。その後、歳を重ね当時の音響彫刻との出逢いが忘れられず、96年頃音響彫刻がどのような状態なのかと思い万博記念館を訪ね、資料も探しました。思い果たせず翌97年、万博へのオマージュのアルバム「EXPO’70」を発表。収録曲には、少年期に聴いた音響彫刻の響きの記憶を辿り、すでに聴くことが叶わない響きを想起し制作した「鉄音の記憶」があります。
 高度成長期、未来への希望に溢れた大人たちが生き生きしていたことは子どもの自分にも伝わってきました。そのような素晴らしい大人達がいたことは子どもたちに素晴らしい夢を与えた事に間違いありません。そして長年のささやかな思いは叶うと言いますか、数年前京都に移住したことで思いがけずバシェ音響彫刻の修復プロジェクトを知り、当時バシェのアシスタントとして関わった川上格知さんにもお会いでき、素晴らしい出逢いと再会の機会を与えられました。40数年を経てバシェのプロジェクトに参加できたこと、この上ない喜びと共に感謝です。
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岡田 加津子(作曲家)

 1970年大阪万博の鉄鋼館に展示するために、フランソワ・バシェ(1920-2014)によって17基の音響彫刻が作られた。閉幕後それらはすべて解体され、部材となって倉庫に保管された。鉄鋼館は閉幕後も辛うじて残されたが、建物に内蔵されたスペースシアター(立体音楽堂)共々、その扉を閉ざしたまま40年間万博跡地にひっそりと佇み、世の中から忘れられていった。2010年、鉄鋼館が「EXPO’70パビリオン」として再び公開される運びになったことが、バシェの音響彫刻を永い眠りから解くことになる。オープンに際し万博記念機構が乃村工藝社に「池田フォーン」の修復を依頼。そのことを知った川上格知(EXPO’70でバシェの音響彫刻制作にアシスタントの一人として携わった)が鉄鋼館を訪れ、他の音響彫刻を修復できる可能性があることを伝えた。それを聞いた岡上敏彦(2010年当時、万博記念公園事務所営業推進課に勤務)の主導により、バシェの音響彫刻修復プロジェクトが進み始める。加えて柿沼敏江(音楽学者、元京都市立芸術大学教授)、永田砂知子(打楽器奏者、2015年よりバシェ協会会長)、宮崎千恵子(元オルガン奏者、フランス在住)各人の惜しみない尽力により、バルセロナ在住のマルティ・ルイツ(フランソワ・バシェ晩年の弟子、当時バルセロナ大学博士課程在中)に修復担い手として白羽の矢が立った。2013年10月に来日したマルティ・ルイツは、兵庫県宍粟市にあった川上の作業場で、川上と二人で「川上フォーン」と「高木フォーン」の修復に取り掛かった。設計図もなく、手掛かりは川上の記憶と、バシェがペンで描いた簡単なスケッチ、そして数少ない当時の展示風景を撮った写真ぐらいであった。不明な点の多さに加え、言語が通じないことで生じるイライラ、生活習慣の違い、寒さなどから修復作業は困難を極めたという。この時はまだ健在だったフランス在住のアラン・ ヴィルミノ(EXPO’70での音響彫刻制作の技術師としてフランソワ・バシェと共に来日し、最後まで日本に残って音響彫刻の展示を見届けた)から宮崎千恵子(上述)が音響彫刻の構造についてのアドバイスを受け、それを川上に逐一国際電話で伝えた。こうした苦労を経て2013年11月末「川上フォーン」と「高木フォーン」は修復を終え、EXPO’70パビリオンに蘇った。
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次の機運は2015年に訪れた。京都市立芸術大学と京都芸術センター共催「アーティスト・イン・レジデンス」にマルティ・ルイツが選ばれ、その年9月末再び来日を果たした。万博記念公園から音響彫刻の部材を載せたトラックに乗って京都市立芸大に現れたマルティ・ルイツは、早速、美術学部彫刻棟で修復を始めた。彫刻専攻の松井紫朗教授や学生たちの協力もあり、 2週間ほどで「桂フォーン」と「渡辺フォーン」が復元された。私はその修復の様子を間近に見る機会を得、そして蘇った「桂フォーン」の造形の美しさと多彩な音色、「渡辺フォーン」の内臓に直接響くような深い轟に強い衝撃を受け、すっかり虜になってしまった。その時開かれた美術学部彫刻専攻と音楽学部作曲専攻との合同演習の中で、マルティ・ルイツはバシェの音響彫刻の仕組みを端的に伝えようと、持ち運びできるサイズのバシェ・ モデルを3台作り「冬の花」と名付けた。このアルバムで私が演奏しているのがそれである。
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2017年、今度はクラウドファンディングで一般から資金を募り、東京藝術大学において「勝原フォーン」が修復された。この時もマルティ・ルイツが招聘され、修復に携わった。「勝原フォーン」はEXPO’70当時の展示写真を見ても、多数の大きな拡声盤に隠れて細部が見えない上に、紛失した部材も多く(もちろん設計図も残っていない)、正確に復元されているかを立証する手立てがないと、修復プロジェクトリーダーを務めた川崎義博は語っている。しかし拡声盤の付き方や、レバーによる音の「揺り」など、バシェの音響彫刻の特徴を余すところなく表している。
 こうして2020年3月現在、6基の音響彫刻が修復され、演奏できる状態にある。このアルバムではそのうちの2基「桂フォーン」と「渡辺フォーン」と、前述した「冬の花」3台を使用している。音響彫刻の残りの部材は、現在東京藝術大学の取手学舎に保管されているが、新たな修復が実現できるかどうかは見通しが立っていない。ただ17基の大型音響彫刻が一時に作られ一堂に会していたという“EXPO’70の奇蹟”は、この6基を通して鉄鋼館のテーマであった「鉄の歌」を我々に夢想させてくれると共に、新しい芸術の創造に向けて我々を駆り立てるのである。
 最後になったが、バシェの音響彫刻を修復・復元することに日夜奔走しご尽力くださったすべての方々に、そして修復時、資金面においてご助成いただいた方々への深い感謝の気持ちを込めてこのCDを世に送り出すことを、アンサンブル・ソノーラを代表して、謹んでご報告したいと思う。

バシェ音響彫刻@京都芸大 BASCHET MUSICAL SCULPTURE

大阪万博・鉄鋼館に展示されていたバシェ音響彫刻。 
倉庫に眠っていた音響彫刻(桂フォーン・渡辺フォーン)を京都市立芸術大学 桂キャンパスにて復元したものを演奏。
高木フォーンから着想した、ミニ音響彫刻「冬の花」と共に展示中。 

 

バシェ協会  

→Ensemble Sonora Youtubeチャンネル

Ensemble Sonora
Jyoji Sawada
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バシェ音響彫刻 ~ 音の軌跡を未来につなぐプロジェクト ~ CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

このアルバムの制作で使用された【バシェ音響彫刻】の演奏をオンライン限定にて

無料 Live 配信するプロジェクトがあります

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